口臭について正しく理解しましょう

口臭って何?
 呼吸や会話をするときに、口から出る息がにおって他人が不快に感じるのが口臭です。私たちは日常生活の中で、家族や友人だけでなく、近所の人や仕事関係の人などと話をする機会がたくさんあります。「自分には口臭があるのでは?」と不安に思うと、人と楽しく交流することができなくなってしまいます。口臭は人間関係に影響する非常にデリケートな問題ですが、口臭の発生原因を知ってきちんと予防対策を行えば、口臭のことで悩むことはありません。

自分のにおいは自分ではわからない
 においは、鼻の中にあるにおいを感じる細胞(嗅細胞)がにおいをキャッチして、その情報が脳に伝わることで認識されます。この嗅覚は主観的なもので、同じ人間が同じにおいを嗅いでも体調や心の状態などによって受け止め方が変わります。
体調がすぐれないときには、普段つけている香水が不快になる場合もあります。
 また、嗅覚には同じにおいを長時間嗅いでいると、その臭いに慣れてしまうという特徴(順応反応)があります。こうした順応反応があるため、自分のにおいを自分で確かめるのは難しいのです。

口臭はどうして発生するの?
 口の中にいる嫌気性(酸素を嫌う)細菌は、新陳代謝ではがれた粘膜上皮、血球成分、死んだ細菌などのタンパク質成分を分解して、揮発性硫黄化合物(VSC)をつくります。揮発性硫黄化合物は硫黄ガスの総称で、主に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類のガスからなります。揮発性硫黄化合物は特有のにおいがありますが、口臭はこれらのガスが混合したものなので、非常に不快なにおいとなります。
●口臭原因物質(VSC)生成のメカニズム
口臭を検査する方法
 半導体ガスセンサーやガスクロマトグラフィーを使って口臭の検査を行います。また、口臭の検査には人の嗅覚による官能検査という方法もあります。