口臭にはいろいろな種類があります

 


誰にでもある生理的口臭
 朝、起きたときに口の中がネバネバして、不快に感じたことはありませんか?
 口臭は、起床直後に最も高い値を示します。夜間、唾液の分泌が減り、細菌が増殖して口の中の汚れ成分を分解し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさんつくられるからです。しかし、食事や歯磨きで、口の中の細菌は減少し、刺激によって唾液量が増加すると口臭は弱くなります。
 誰にでもこのような生理的口臭は見られますが、そのにおいの強さは口の中の細菌、汚れ成分、唾液量などによって異なります。また、緊張したときや空腹時にも生理的口臭が強くなってきます。生理的口臭には図に示すように日内変動(1日の変化)がありますが、ゼロ(無臭)になるということはありません。私たちは生きている限り、毎日食事を摂り、口の中ではさまざまな代謝が行われているからです。
 このように健康な人でも、口臭が一時的に強くなるときがあります。誰にでも生理的口臭はあるので必要以上に神経質になることはありません。

飲食物・嗜好品による口臭
 ネギ、ニラ、ニンニクなとを食べた後の口臭は、口のなkにのこった食べかすが直接に追う場合と、体内でしょうか吸収された臭い物質が血液によって運ばれ、やがて肺から呼気として排出されてにおう場合があります。
 アルコールも体内で吸収され、肺から揮発性のアルコール成分が排出されるため、お酒を飲んだ人の吐く息はくさくなります。たばこを吸う人の口のにおいは、主にタールやニコチンです。このような飲食物や嗜好品による口臭は、時間の経過とともに減少する一般的な口臭です。

治療が必要となる病的口臭
 口の中脳病気、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気などが口臭と関連していると考えられていますが、病的口臭の原因の約90%以上は、口の中の汚れや病気が原因で発生します。口のなkの原因としては、歯周病、多量の舌苔付着、唾液分泌の減少、義歯(入れ歯)の清掃不良、進行したむし歯などがあげられます。従って原因となっている歯周病やむし歯の治療を行うことと、口の中を清潔にしていくことが必要となります。口臭が気になったらまずは歯科医院で相談してみましょう。
 「胃が悪いと口臭が強くなる」と考えている人は多いようですが、食堂と胃の境界である噴門部は、飲食物が通過するとき以外は括約筋で閉じられていますので、月賦でもしない限り胃の中の空気が口の中に出てくることはありません。したがって、胃の病気が原因で口臭が発生することはほとんどありません。